小説「自転車旅行のつもりが・続編」 その7(最終回)
~そして、次元の扉が開いた・・・・





自転車旅行、スタートして2日間は、まずまずの天気に恵まれ、快適なツーリングであった。
しかし、3日目には、いきなりの夕立が私を襲った。

どこかで雨宿りをしようと探すと、一軒の古びた病院を見つけた。
この駐車場の上に僅かながら屋根がある。

時間にして1時間ぐらい経っただろうか。
雨が止みかけ、そろそろ出発かと思ったとき、一人の女性が病院から出てきた。
服装からして、看護師のようだ。
後姿だけではあるが、長い髪を束ねていて、とても綺麗な感じだ。

折角の一人旅だ、なんとなく出会いというものを期待してしまう。
直ぐに私はその女性に声をかけようとした。

そのとき、ウェアのポケットからアラーム音が鳴り出した。

なんだろう?と慌ててポケットに手を入れると、その中に入っていたのは時計だった。

この時計は、子供に買ってあげたおもちゃの時計だ。

私「なんでこんなところに入ってるんだ?子供の仕業か・・・・」

私は時計を取り出してアラームを止めようと裏返してみたら、裏蓋が完全に閉まってなく、その隙間から雨水が入っていたようだ。
雨水でショートして、アラームが鳴ったということだったのだろう。

とんだ、ハプニングだ。

しかし、そのせいで、その女性はもう居なくなっていた。

私「う~ん!残念だ。これも内緒で出てきた罰ってことかな?」

でも、まだいろいろな出会いがあるだろうから・・・

私は、また先へと進んで行った。
ここから、先に進めば海にでるはずだ!

やっぱり、自転車旅行は楽しい・・・



■エピローグ

過去に戻った私がやったこと、それは簡単なことだった。
時計である。

とにかく、何もかもこの時計がキーワードだった。

この時計は、すでに私のウェアに入っていたものだったとしたら、私と一緒に次元を超えた物の一つだった。

しかし、この時点では、この時計の裏蓋はきちんと閉じていたと思われる。
そのため、少しばかり緩めておいたのだ。
あくまで一か八かの賭けだった。

過去に戻った時点で、その僅かな緩みは次元のひずみにまったく影響を与えなかったのだろう。
そのため、そのままの状態を維持でき、そこから水が浸入したわけだった。

でも、どのタイミングでショートし、アラームが鳴るかだけは、見当が付かず、ほとんど運任せだった。








■エピローグのエピローグ

キーワードは、同じ次元に存在するはずのない2つの時計・・だが

この時計、本当に蓋の緩みが、次元に影響与えなかったのだろうか?


いや、影響を与えていた。

実は、過去に戻ったつもりが、そこは別の次元だった・・・ってこともありえるわけである。



歴史を変えることは、出来ない!

だから、歴史は変わっていない!!






彼は、次元を超えて、永遠に自転車旅行を続けるでしょう!




~本当に終わりです~