小説「自転車旅行のつもりが・続編」 その1
~「1000年後の地球」~

青い星、海に囲まれた星・・・だったはず!
1000年後の地球には、そんな素晴らしい情景なんて、ひとかけらも残っていない。

核により破壊された自然。
人間が作った過ちに自ら命を絶ったのだ。

この荒れた星を見つけたのは、この銀河系から100万光年離れた星聖からきた種族。アルファ星の異星人である。

この星に唯一生き残った人物。
その人物の心の中を読み取り、過去の出来事から、この星に何が起こったのかを探ろうとしていたのだが、あまりの空想力に理解の範囲を超えていたところだった。

あらから1年。
まったく進展はないまま、この人物の空想劇を目の当たりにして、いいかげんあきらめる時が来たようだ。

異星人たちは、その男の研究をあきらめ、自分達の星に帰るべく、乗ってきた宇宙船を発進させた。
ここから、100万光年先の自分達の星へ戻るのに、この星の技術でも約1年はかかる。

そして、地球から100光年は離れたころだろうか、船内の格納庫で物音がした。
何だろうと、異星人の一人がその格納庫に近づくと。

あの男であった。


私「お前達、俺をどうする気だ。前からおかしいと思って、騙された振りをしてたのだが、まさか異星人だったとはね~! おかしいと、思ってつけてきたら、こんなことに!」

私「1000年も前に地球上の人物が滅びたって? 初めは、信じられなかったけど、嘘かどうか、こっちも騙された振りをして、お前達の動きを探ってたってわけよ!」

私「こうなったら、お前達の星に連れっててもらおうじゃないか」

これは、困ったことになった。
異星人の星では、条約で他の種族を連れて帰ることは禁止されている。
未知のウィルスの感染を防ぐためだ。

どうしよう!

異星人は、考えた。
このまま、宇宙船から放り出すことも出来るが、それじゃあまりにもかわいそうだ。
そこで考えたのが、最寄の無人の星に連れて行き、そこが自分たちの星だと言って、置いていくことだ。

宇宙船はそのままワープ速度を維持しながら、近郊の無人の星を探した。

そのとき、船に異常が発生。
ワープ航法中に、宇宙嵐に遭遇し、時間の歪みが発生したらしく、ワープエンジンに支障を来たした。
さらに、大きくコースを外れてしまったようで、まったく知らない宇宙に飛び出してしまったようだ。

なぜ、時間の歪みがここで発生したのか不明だ!

そのとき、船のセンサーが一つの星を発見。
青い星である。

コンピューターにより探知してみると、偶然にもこの男に合う環境のようだった。
直ぐにでも、降ろしたい気が先走り、充分な調査も行なわないまま、この星に男を転送し、すぐさま離れたのだった。

男を降ろした途端、時間の軸が戻ったようで、船は自分達の星へとコースへを戻していった。


あれから、何時間経ったのだろう?
私は、目覚めた!

私「あいたたた!」
どうも、この星に転送されたときにどこかで手足を擦りむいたようだ。
実に手荒いことをしてくれる異星人だ。

しかし、ここはどこだろう?
あの異星人はどこにいるのか?この星はあの異星人の星なのか、まったく検討が付かない。
しかし、周りには地球とまったく同じ植物が生えている。
今吸っているのは、空気だろうか?

改めて、周りを見渡すと、山だ。
地球と同じ、まったく同じ景色が目の前に広がっている。

また、あの異星人の仕業か!
幻覚を見せられても、もう騙されはしないぞ!!

その時、遠くから何か音がする。
何か叫んでいるようだ。
それがだんだんと近づいてくるのだ。

そして、ある程度近づいたときに判った。

人間だ!!

おい、おい、幻想か?それともこの星の生物なのか?

すると、その人間らしき生物が近づいて来て喋った。

この星の男「大丈夫ですか?怪我はないですか?」

私「えっ?日本語・・・俺、判るの?地球って星からきたんだけど?」

私「ここはなんて星???」

なんか、よく判らないが、つい自分の星の言葉で喋ってしまった。

この星の男「もしかして、崖から落ちたときに少し頭を打ったのかもしれないですね!覚えてますか、自分の名前や住所!」

私「えっ?名前?住所?って地球の?それに崖から落ちたって・・・ここ地球なの?」

この星の男「自転車でこの山を降りていたんだと思いますが、この辺りは先日の雨で地盤が緩んでいて危険な状態だったんですよ!」

この星の男「あなたは、そこの上の道で、突然土砂が崩れて、自転車もろともここに落下したんですよ・・・覚えてません?」

私「自転車・・・?」

この星の男「そう、横にあるのが、あなたの自転車でしょ?」

その男が指差す方向を見ると、確かに自転車がある。

男「なんか、訳がわからなくなってきたが、今度こそは本当なのか?自転車旅行してたのは事実でいいんだろうか」

男「こんな梅雨の時期に自転車旅行なんてするもんじゃなかったなぁ」

その男に支えられて、山を一緒に降りることにした。

その途中、一人の老婆とすれ違った。

すれ違いざまに私に言った。

老婆「この山には、不思議な力をもつ狐がおってのぉ!良く騙されるんじゃ・・・」

そういい残して、去っていった・・・・


空は茜色!

山は赤く染まってる!

いや、紅葉だな・・・

紅葉・・・

え、紅葉だって?

紅葉って秋・・・・??





~続く~
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